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Mantis religiosa
ウスバカマキリ
北海道・本州・四国・九州・南西諸島
本土 :8月下旬~10月下旬
南西諸島:1年中
ウスバカマキリは、中型ながらその美しい姿で知られるカマキリである。ユーラシア大陸を中心に世界各地に広く分布しており、日本でも多くの地域で確認されている。しかし、河川敷や湿地など、限られた環境にのみ生息している。北海道では移入種として定着している。灯火に飛来することもあるが、生息地から離れた場所では、日常生活においてウスバカマキリを目にする機会は少ない。ウスバカマキリは、草丈の低い植物がまばらに生えているような環境を好む傾向がある。南西諸島では、本土と比較して発見しやすい傾向があり、公園の芝生や耕作地周辺の草地など、一見何の変哲もない場所にも普通に生息している場合がある。興味深いことに、同じ場所に複数のウスバカマキリが共存しているにもかかわらず、共食いが少ないことが知られている。これは、餌となる小昆虫が豊富であること、そしてウスバカマキリ自体に共食いを抑制する性質があるためだと考えられている(Prokop et al. 2016)。ウスバカマキリの生息地には、しばしばセグロイナゴやショウリョウバッタモドキなどが混生しているため、これらのバッタ類が多く見られる草地では、ウスバカマキリが生息している可能性が高い。
成虫の姿
オス
メス
生態写真
ウスバカマキリ中齢幼虫
他のカマキリと違って、こちらに目線を送ってくれることはほとんどない。やや素っ気なく感じる。
ウスバカマキリ♂(緑色型)
成虫オス。細身で翅は透明感がある。他のカマキリと比べると、触角が太いのが特徴。
ウスバカマキリ♂(褐色型)
南西諸島に生息するウスバカマキリは、本土のものよりも二回りくらい大きく、見応えがある。
ウスバカマキリ♀
成虫メス。褐色型は前翅の翅脈が美しい。緑色型と褐色型の比率に大きな差はない。
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