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Meloimorpha japonica japonica
スズムシ
美声
本州・四国・九州
8月上旬~10月上旬
スズムシは、日本の代表的な鳴く虫として広く知られており、高い知名度を誇る。しかし、その知名度とは裏腹に、野生のスズムシを実際に目にする機会は少ない。都市部の公園などで見かけるスズムシは、多くが人為的に放されたものである可能性が高い。基本的には自然度の高い環境を好む。茂みの中で鳴いていることが多いため、その姿を観察するのは容易ではない。しかし、夜間には開けた場所へ出て来ることもあり、灯火にも飛来することがある。「リーン、リーン…」という美しい鳴き声は、多くの人がスズムシをイメージする際に思い浮かべる音だろう。これは、オスがメスに求愛する際に発する鳴き声であり、飼育下では頻繁に聞くことができる。しかし、野生下では常にメスのそばにいるとは限らないため、メスを誘引するために、求愛時とは異なる鳴き方をする場合もある(音源参照)。音色はスズムシ特有のものだが、聞き慣れない人にとっては、別の虫の鳴き声と誤認される可能性もある。その華奢な体格とは対照的に、スズムシは気性が荒く、他のオスが鳴き声を発すると、それを止めようとして近づき、争いを始めることもある。そして、交尾を終えたオスは衰弱し、最終的にはメスに捕食されるという、厳しい生存競争の一端を垣間見ることができる。
成虫の姿
オス
メス
生態写真
スズムシ♂
深い藪に生息するが、夜間には外に出てきて路上を歩いたり、灯火にやって来る。
スズムシ♀
成虫メス。尾肢と同じくらいの長さの産卵管をもつ。オスと同様に路上に出てくる。
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