top of page
Neophisis iriomotensis
ヒルギササキリモドキ
石垣島・西表島
1年中
ヒルギササキリモドキは、石垣島と西表島のマングローブ林にのみ生息する珍しい昆虫である。前脚には発達した棘が多数あり、獲物を捕らえるための網の役割を果たすと同時に、水面に落ちた際に浮き続けるための助けにもなっていると考えられる。完全な肉食性で、この特化した前脚を使って巧みに狩りを行う。しかし、他の肉食性のキリギリス類のような強力な顎や、それを支える頑丈な体格は持たない。そのため、捕食できるのは口で咥えられる程度の小さな昆虫に限られると考えられ、食事中も前脚は体を支えるために使用される。獲物に積極的に襲いかかるのではなく、前脚に触れた小さな昆虫を的確に捕らえる、独特の狩猟方法を持つ。日中は葉の裏などにじっと潜んでおり、活動を開始するのは完全に暗くなった夜である。夜のマングローブ林を注意深く観察すれば、長い脚を生かした素早い動きで葉や枝の上を走り回るヒルギササキリモドキの姿を見ることができるだろう。
成虫の姿
オス
メス
生態写真
ヒルギササキリモドキ初齢幼虫
前脚の棘がまだ発達していない。一見するとナナフシのようにも見える。
ヒルギササキリモドキ中齢幼虫
オヒルギの葉の裏に張り付いている。前脚と中脚が他の直翅類と比べてかなり長い。
ヒルギササキリモドキ終齢幼虫
走り回る個体にライトを当てると昼間のように葉の裏に隠れようとする。
ヒルギササキリモドキ♂
日中は葉の裏で休んでいるのだが、ヒルギの葉は光を通しづらいので、上手く溶け込んで見つけにくい。
ヒルギササキリモドキ♀
オスとの体格差はほとんどない。ヒルギ科の樹皮に産卵する。
bottom of page