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Psyrana japonica

ヘリグロツユムシ

 本州・四国・九州・伊豆諸島

 8月上旬~10月中旬

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ヘリグロツユムシ

ヘリグロツユムシは、山地を主な生息場所とするツユムシ亜科の昆虫である。サトクダマキモドキやヤマクダマキモドキとよく似ているが、翅の付け根部分に黒い縁取りがあることで容易に識別できる。夜行性であるが、日中でも葉の上に静止していることが多いため、比較的発見しやすい。鳴き声は「シュルルルルル」と単発的で、頻繁に鳴くわけではない。温暖な地域では成虫の出現時期が早く、7月頃から観察されることもある。奄美大島以南の南西諸島には、ヘリグロツユムシと近縁な種が複数生息しており、アマミヘリグロツユムシ、オキナワヘリグロツユムシ、ヤエヤマヘリグロツユムシなどが知られている。特にヤエヤマヘリグロツユムシは、石垣島、西表島、与那国島の各島にそれぞれ亜種が存在すると考えられている。

 成虫の姿 

ヘリグロツユムシ

オス

ヘリグロツユムシ

メス

 生態写真 

ヘリグロツユムシ

ヘリグロツユムシ終齢幼虫

林道沿いの草本や低木の葉の上でじっとしているので目に付きやすい。

ヘリグロツユムシ

ヘリグロツユムシ♂

外見はほとんどヒメクダマキモドキと変わらない。胸部側面の後縁のくびれが少し深い。

近縁種

Psyrana amamiensis

アマミヘリグロツユムシ

奄美群島に生息するヘリグロツユムシの一種。林縁部の植物の葉上で頻繁に観察され、特に奄美大島では、海岸部の平地から山地まで、広い範囲に分布している。成虫は6月上旬から9月頃にかけて出現する。通常は緑色の体色をしているが、遺伝的な要因による色彩変異で、黄色い個体も比較的よく見られる。国内に生息するヘリグロツユムシ類の中では小型の種である。

アマミヘリグロツユムシ
ヤエヤマヘリグロツユムシ

Psyrana yaeyamensis

ヤエヤマヘリグロツユムシ

八重山諸島に固有のヘリグロツユムシの一種。原生林やその周辺の林縁部などで見られる。成虫は4月中旬から6月下旬にかけて出現する。主に樹上、それも高い位置で生活しているため、その姿はなかなか目にすることができない。一方、幼虫は低木の上でもよく観察される。ヘリグロツユムシの仲間としては大型で、がっしりとした体格をしている。石垣島、西表島、与那国島に生息する個体群は、それぞれ亜種関係にあると考えられている。

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